『日曜美術館』 NHK Eテレ
井浦新、伊東敏恵(司会)
毎週日曜 09:00~10:00 放送
翌週日曜 20:00~21:00 再放送
「文明開化の光と影
~小林清親 『東京名所図』」~
2015年2月22日 放送
2015年3月1日よる 再放送
ヘンリー・D・スミス
(コロンビア大学教授)
山梨絵美子
(東京文化財研究所 企画情報部副部長)
近藤恒志郎(高見沢木版社 代表取締役)
ほか出演
――文明開化の象徴、洋風建築の新橋駅。室内の明かりやランタンの光に照らされ、闇の中に浮かんでいます。変貌を遂げる東京を詩情あふれる姿で描いたのは
小林 清親
(こばやし・きよちか
1847―1915年)
版画家、浮世絵師
光と影を駆使した絵は 「光線画」 と呼ばれた。夕暮れの光が隅田川の川面をほんのり茜色に染めている。夜のとばりが下り、煌々と輝く月の光が照り映えている。
これ迄の浮世絵の常識を破ったリアルな光線画はどの様にして生まれたのか。当時の摺(す)りを再現、秘密に迫る。
ヘンリー・D・スミス
「清親の絵の魅力は、水彩画をそのまま木版画にしたという所にあると」
全部で 93点に上るシリーズ
『東京名所図』。
文豪の永井荷風は
「明治初年の東京を窺い知るべき
無上の資料」 と絶賛しました。
今年は小林清親が亡くなって、丁度 100年。清親の代名詞、「光線画」 の魅力をたっぷりお伝えします。幕府直参の御家人の家に生まれた、小林清親。
尊王攘夷の嵐が吹き荒れる幕末を潜り抜け、明治9年(28歳)のとき突如、浮世絵師としてデビュー。清親が描いたのは、江戸から明治へと急激な変貌を遂げる東京の姿でした。
★思えば関東大震災、東京大空襲と、破壊されては生まれ変わる不死鳥都市、帝都東京には驚かされるものがあります。
小林清親さんは余り知らない画家でした。今年百周忌で、故人に思いを馳せるには切りの良い年。観賞すると、明治の東京へタイムスリップしたような気持ちになる。
文明開化に突き進む東京の姿は絵になった事だろう。ビルディングが立ち並ぶ現代の東京の姿を絵にする気は、余り起きない。
カメラでパシャリ撮るなら良いのですが、それを手間のかかる絵にするのは、ちょっとやる気が出ません(汗)
緑豊かな地方都市にこそ、絵を描く環境としては最高の状態になりつつある。100号以上の油絵、もしくは彫刻を創ろうとするのなら、大都会は手狭かも……
創って公募に失敗したら処分の憂目に遭うのが見え見え(涙) 制作・保管ともスペース無視する訳にはいかないからです。
電気エネルギーで満ちた大都会。魂の安らぎを思うと、地方都市が1番。だけど、今秋の上京もまた楽しみにしている。
【関連展覧会】
没後100年 小林清親展
2015年2/7(土)~3/22(日)
静岡市美術館
[巡回]
練馬区立美術館
2015年4/5(日)~5/17(日)