2009年8月6日木曜日

アフリカを制した男 スキピオ

スキピオ・アフリカヌス

(紀元前236年~
 紀元前183年)

スキピオは、第二次ポエニ戦争で敵師匠とも言うべきハンニバルに勝った執政官です。

ザマの戦いでハンニバルを完全に撃破しました。

スキピオは青春時代を第二次ポエニ戦争を過ごし、ローマ軍の連敗を肌で感じました。

カンナエの戦いでも、戦場にあった。

ハンニバルに勝てたのは、彼に連敗したからだとも言えるでしょう。

カルタゴ軍の将軍は、戦闘に敗北すると死刑。

ローマ軍では、負けた側の将軍は敗北したことで充分雪辱を受けているとして、

責任が追及されません。

現代人が古代を考える上で余り差がないとも感じるかもしれませんが、

非常に正反対の対応だと思っています。

人が成長するときは、誰かに教えるときと、失敗するときではないでしょうか。

ハンニバルに連敗したからこそ、

ハンニバルと並んで評価されるスキピオだと考えています。

資本主義の考え方が蔓延している現代は失敗する、負けるということに

あまりに臆病になっているのではないでしょうか。

特に、身体に刻み込まれるような敗北や失敗を経験することは、

その人にとって大きな成長になっています。

日本も、失敗する人間をバッサバッサとクビにしていく時代になってきました。

それはカルタゴと同じ負け=死刑の姿勢です。

「失敗して十分おまえは恥をかいた。次はがんばれよ」

という器の大きい人間が、今の日本にはいなくなったのではないでしょうか。

「明日があるさ、次は負けない」

という超ポジティブ姿勢を取れる人間が、今の日本にはもっと必要です。

ザマの戦いで、それまでハンニバルのしてきたことを

すべてスキピオから返されてしまいます。

歴史を変えた一戦なので、ぜひ調べてみて下さい。

復讐戦争がいかに危険なものかを歴史が証明しています。

ローマの人々はそのままカルタゴを包囲網戦に持ち込むと思っていたのですが、

和平に持ち込んでいます。

敗者の気持ちがよくわかる、実にヒューマニズムです。

大カトーから言いがかりをつけられて隠遁してしまい、

偶然にもハンニバルと同じ年に亡くなります。

『ローマ人の物語』 の著者、塩野七生先生は、

そのまま改革が必要だったとしていますが、

やはりハンニバルとの死闘で燃え尽きたと言ってよいでしょう。

戦いに負けることと、戦争に勝つことは別です。


東間 陽一 Yoichi Azuma



0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。