『ミトン』
1967年製作(ソ連)
1967年
アヌシー国際アニメーション映画祭
第一等賞受賞
1968年
モスクワ国際映画祭 銀賞受賞
1972年
ヒホン国際児童映画祭
グランプリ受賞
【原題】
MITTEN
【監督】
ロマン・カチャーノフ
【脚本】
ジャンナ・ヴィッテンゾン
【美術】
レオニード・シュワルツマン
【製作】
ソユーズムリトフィルム
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文豪トルストイを生んだロシアの
コマ撮り人形アニメ
毛糸を使った人形のコマ撮りアニメ『ミトン』。キュートでほのぼのした音楽が
全編を包み込むような名作アニメ。ロシアの文化といえば、文豪トルストイ以来
余りパッとしないイメージがありましたが。まだまだアニメとして世界市場に
打って出るだけの作り手はいる! と思わせる、コマ撮りアニメ。殺伐とした
この世界に純粋無垢な「愛」 の存在を再確認させる作品! 『ミトン』 の発表
年数は何と、1967年。46年前に作られたコマ撮りアニメですが、古さを超越した
美しさがあります。デジタルのデも無いような時代だから、1枚1枚撮影で、
本当に作るのが大変だったでしょう。デジカメなら失敗しても削除して無制限に
撮影できるのですが、アナログのフィルムは失敗すれぱ、時間と労力、お金が
かかった事でしょう。いつかは、コマ撮りアニメにチャレンジしたいのですが
時間とスペース、資金不足で中々、できません。専用ソフトはネットで簡単に
手に入る様ですが…現在はCG開発終了時代にさしかかったと言えるでしょう。
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インターネット映像時代の台頭
珠玉の名作に学ぶもの
大金さえあれば、理論上なんでも作れます。今を生きる人間だからこそ、この
パソコンはおろか携帯電話がなかった時代の空気を感じます。携帯やインター
ネットが悪用、殺伐したロクでもない事件ばかり。80年代アニメを YouTube で
見ていると、アナログの時代もいいところが沢山あります。デジタル技術が完成
したなら今後の作品に求められているのは、過去の作品を学び直し、そこから
何かを吸収する事ではないでしょうか。天下のディズニーでさえ、アニメ製作
部門は、はっきり言って赤字です。インターネットで映像をみる時代が台頭。
アニメやテレビ番組を放送して採算が取れないのなら、別の手法を用いる事が
今、課せられた課題でしょう。『ミトン』 は毛糸の犬と可愛い少女の心温まる
ストーリーです。このアニメの 24年後の 1991年、ソビエトは崩壊を迎えます。
現在のロシアがどんなアニメを作っているか全くわかりませんが。このような
素晴らしい珠玉のアニメが
再び生まれることを
期待しています。
東間 陽一 Yoichi Azuma
(2017年11月01日 記事改訂)
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