『日曜美術館』
NHK Eテレ(教育)
毎週日曜 09:00-10:00 放送
翌週日曜 20:00-21:00 再放送
2016年12月11日放送
「謎のヌード
クラーナハの誘惑」
【司会】
井浦新 (俳優/ものづくり集団
『ELNEST CREATIVE ACTIVITY』
ディレクター)
伊東敏恵 (語り兼務/
NHKアナウンサー)
【ゲスト】
中野京子(ドイツ文学者)
【出演】
森村泰昌(美術家)
新藤淳(国立西洋美術館 研究員)
塩谷亮(画家)
— NHK Eテレ(教育テレビ) (@NHK_ETV) 2017年3月4日
【番組内容】
――闇に輝く白い肌。体をくねらせるのは、若い女性。見られていると知りながらの微笑みでしょうか? 異様な雰囲気が漂うヌードです。そして口を開け、目もうつろな男の首。
壮麗なファッションに身を包み、こちらを見つめているのはやはり、女性。その目の冷ややかなこと。描いたのは、ルカス・クラーナハ(1472-1553)。 16世紀のドイツで異彩を放った画家です。
その魅力を
現代の作家がひもときます。
塩谷 亮
「何か不思議というか奇妙というか。
何ですかね、この違和感は」
――どこか歪(いびつ)なのに惹かれてしまう。秘密はクラーナハ流の絵画表現にありました。更に、クラーナハが描いた女性たちがまとう危うい雰囲気。
男を誘い込むようなその力こそ…女の力です。その力に魅了され、作品をつくった人も。
森村 泰昌
「神聖な感じを一見もたせるんだけど。でも、よく見てみると妖しげ…妖の世界」
――触れれば火傷するかも知れない。
でも、だからこそ、触れてみたい。
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【感想】
ポルノグラフィはネットに溢れており、デッサンの練習には事欠かぬ、いい時代になりましたが。油絵でヌードをつくり、果たして売れるかどうか? 真剣に考えたことがあります。
本物の油絵を買える経済力のある人物というと、だいたい所帯持ちです。子どもや奥さんがいるのに、ヌードの油絵を家に飾れるかというと、飾れません。
家族がみんなで見て、安心できるものと言えば、静物画や風景画でしょう。ヌード彫刻で実物サイズといえば、もっと売れない。場所を取るから(笑)
とりあえず日本人の平均年収を目指してるので、ギャンブルはできない状態です^^; ヌードとなると、モデル代もかかります。
インターネットで拾った写真には著作権があるので、元の写真より相当アレンジし、原型を留めぬことが求められます。
僕は対人能力が低いので、割と SFっぽいものを創ってみたい。沢山デッサンして、もっと画力もつけたくなって来た。ルカス・クラーナハも嫌というほどデッサンに明け暮れたと思います。
今日も働きます。
東間 陽一 Yoichi Azuma
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【感想】
宮廷画家、工房の経営者、企業家、薬種取引権の取得(絵具製造)、印刷所経営、版画の販売、ルターのドイツ語版聖書の出版、ヴィッテンベルク市長…特筆すべきはそのプロデュース力!
幾つもの重責を兼任した、神のごとき自在なその働きには驚く。クラーナハは好んで「女のたくらみ」 を描き続けた。初めて知った画家だったが…官能的でなんと狂おしい絵なのだろう。
展覧会の公式 Twitter も魅力的だ。絵画の修復、グッズ作成の様子など大変興味深かった。蛇に翼、クラーナハのサインもお洒落。九州で展覧会があれば是非、足を運びたい。
writer Miyu
2017.05.18 初回更新
2019.01.25 更新
【関連展覧会】
こちらも《ルクレティア》1510/13年頃 個人蔵 日本初公開。数あるクラーナハのルクレティア作品の中でも最初期のものと考えられています。裸に毛皮…というエロティックな風貌で自らに剣を刺し、向かいに立つ私たち鑑賞者を見つめる瞳にどきどきしますね。 pic.twitter.com/BQfnSbO1Uw— クラーナハ展ー500年後の誘惑 (@tbs_vienna2016) 2016年12月4日
— クラーナハ展ー500年後の誘惑 (@tbs_vienna2016) 2016年10月4日
「クラーナハ展―500年後の誘惑」
東京会場
国立西洋美術館
2016.10.15-2017.01.15
大阪会場
国立国際美術館
2017.01.28-2017.04.16
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